Archive for March, 2008

PoIC 的生活

Sunday, March 30th, 2008

量を計る - PoIC の法則」では、このシステムに現れた「べき乗則(1/f)」について述べました。この法則は、「ロングテール」や「80:20 の法則」とも本質的に同じです。

私が驚いたのは、このような法則が私の目の前のシステムから現れたということです。 “To see is to believe” - この目で見てしまったものは、信じるより他ありません。そこで私は、この法則を自分の生活習慣にも取り込みはじめました。例えば、

* 一日のうち、10時間は働き、2時間は自分のための時間に充てる(80:20)
* 午前中2時間は必ず書き仕事のために確保し、午後8時間は読書や雑用に充てる(ロングテール)
* 一日に読む本は、仕事の本が8割、趣味の本が2割(80:20)
* 一週間7日のうち、5.5日を働き、1.5日を休む(80:20)

これによると、朝9時から働き始めれば、仕事が終わるのは20時(昼休み1hを含む)となります。また「6日働いて1日休む」といったことは、旧約聖書の昔から言われていることです。これといって特別には聞こえません。しかし、私は「べき乗則」というレンズを通して見たときに初めて、その理由を非常に合理的に理解できるようになりました。

私の中で一番大かった変化は、これを知ったことで、「休息」や「趣味」のために時間を使うことに対して感じていた「罪悪感」から開放されたことです。今では、日曜日も気兼ねなく休めるようになりました。

あまり厳密にしすぎても融通が利かなくなってしまうので、ある程度の流動性は残すようにしています。例えば、午前中の書き仕事で気分が乗ってきたら、無理に止めず午後も続けるようにする、など。この場合は、アウトプットとインプットの比率が 20:80 から 80:20 に入れ替わることもあります。いずれにせよ、午前中に書き仕事を据えることで、一日の仕事のペース配分に余裕が生まれます。

不思議なのは、上記4つの生活習慣を取り入れることで、私の生活に「リズム」が現れ始めていることです。最近では、朝6時に自然に目が覚めてしまいます。私は寝起きがとても悪い方で、以前の私にしてみれば、目覚まし時計もなしに6時に起き出すなんて、全く考えられないことです。この生活習慣の導入は、私がこれまでに試したどんなライフハックよりも効果的でした。複雑に見える私たちの日常生活の中にも、実は、単純な法則があるのかもしれません。

# Note : 「PoIC を通じて見えたこと」に編入。Ver. 3.0 へアップデート。

Circle v. 2.0

Sunday, March 23rd, 2008
PoIC+43Tabs Circle v. 2.0

Ref. : @web, 野ざらし亭さん @ 技評連載
Ref. : @blog, nomico さん @ works4Life
Ref. : @manual, PoIC を通じて見えたこと

GTD・PoIC における「べき乗則」

Friday, March 14th, 2008
Ref. : @web, Re: PoIC 第四回 GTDとPoIC~相補完する思考, 野ざらし亭
Ref. : @blog, GTDはハチドリの時間、PoICはクジラの時間, works4Life
Ref. : @manual, 量を計る - PoIC の法則, PoIC の中の人

野ざらし亭さんの指摘する「本川理論」、works4Life さんの指摘する「伸び縮みする時間」、そして私の見つけた「PoIC の法則」。どれも「べき乗則」という一点で共通しています。野ざらし亭さんと works4Life さんは GTD と PoIC の比較から「時間」に関するべき乗則(1/t)を導き、私は PoIC におけるタスクフォースの編成頻度から「周波数」に関するべき乗則(1/f)を導きました。

この「べき乗則」を一番上に据えると、あらゆる生産性向上の本や啓蒙書が、同じことを違う言葉で繰り返し繰り返し述べていることに気が付きます。「PoIC の法則」が現れて以来、私は生産性を考える時に「べき乗則」が一つの重要なキーワードになると考えるようになりました。

PoIC の中で私が見つけた「べき乗則」は、今のところ「タスクフォースの規模と頻度」と「4カードの分布(発見カードが80%を占める)」の二つです。この他にも GTD や PoIC には多くの「べき乗則」が遍在していると考えられます。

私が「PoIC の法則」以降に「べき乗則」に関して読んだ本の中で、オススメを3冊を挙げておきます。この問題はなかなか深く、かつ面白いので、GTDer・PoICer の皆さんもぜひ一緒に考えて下さい。

- 「歴史の方程式」, マーク・ブキャナン, 2003. *1
- 「情報社会学序説」, 公文俊平, 2004. *2
- 「複雑な世界、単純な法則」, マーク・ブキャナン, 2005.

GTD・PoIC の見方、世の中の見方が変わることうけあい。

*1 : 原題は「Ubiquity」(ユビキティ)。GTDer、PoICer には聞き覚えのある単語ですな :)
*2 : Web 版はこちら

2008.03.16 : マニュアル, 参考資料 さらに勉強したい人のために に追加。

情報組織化

Wednesday, March 5th, 2008

野ざらし亭さんによる技評連載「Re: PoIC 第3回 ハンドリング・バイ・PoIC~PoICの理解」を読み返しています。今回は「PoIC はデータウェアハウスなのでは?」という指摘でした。野ざらし亭さんの指摘を受けて、私は PoIC マニュアル「再生産する」の中の「データベース」という言葉は、誤解を招く可能性があるかもしれないと考え始めています(ただし、例によって、この部分は改訂しない方針で)。

私は野ざらし亭さんの考えに賛成です。私は少し前から「PoIC は情報整理術ではないのでは?」と考えていました。きっかけは、海外の方からメールやコメントの中に出てくる “well organized” という単語です。私は、頭の中でこの単語を「整理」と訳していました。

例えば、Flickr の “Pretty Organized” というグループには、モノがよく「整理」された写真がポストされています。しかし、PoIC のドックの中のカードは、一ヶ所に整理されているとは言え、情報としては再生産の時が来るまで未整理の状態です。私はコメントにどう返事したらよいか、正直分かりませんでした。

しかし、「organized」には、他の意味もあります。それは「組織化」です。実際、英語版のマニュアルでは、タスクフォース編成という言葉に「Organizing Task Force」と使っています。「整理」と「組織化」では、理解に雲泥の差が産まれるように思います。野ざらし亭さんは次のように指摘しています。

この,整理され管理されたデータの状態は,すべてPoICの特徴に反しています。

Ref. : @web、野ざらし亭、Re: PoIC 第3回

PoIC を「情報整理」ではなく、「情報組織化」であると理解すると、私はようやく納得がいきました。データウェアハウスのミソも情報の組織化にあるのではないでしょうか。「整理整頓」にも暗にそういう意味が含まれているかもしれませんが、明示的に「組織化」と言った方が、PoIC を直感的に理解しやすいように思いました。