アリ塚。大きいものはカテドラル(大聖堂)と呼ばれ、高さは6mにも達する。
アリ塚を作るシロアリは、アリやハチと同じ「社会性昆虫」。一匹は小さくても、集団で力を合わせ、こんなにも巨大な巣を作り出す。
この状況は PoIC の「情報カード」と「ドック」に似ている。 実際、このシステムの背後には同じルールが成り立っている。社会性昆虫について言えることは、PoIC という情報システムにも言える。PoIC ユーザーは、各々のシステムの中心で卵を産み続ける「女王アリ」に例えることができる。
それだけではない。Niklas Luhmann が、書類に囲まれて「社会」学の研究をしているのも、人格を持つロボットも、東京という都市も、みんなアリ塚と同じこと。
アーサー・C・クラークの有名な映画「2001年宇宙の旅」には、「モノリス」という不思議な石が登場する。サイズが1:4:9の、黒くてピカピカの石で、それに触れると人類は「智慧」を得て、次の次元へと導かれるという。
私が思うに、実際のモノリスは、ピカピカの無機的な黒い石ではなく、むしろこのアリ塚のような、有機的な生きた石なのでは。そして、モノリスに触れるためには、どこか遠くの国に出掛けていく必要はない。なぜなら、同じものが「ドック」という形で私たちのすぐ目の前にも現れるから。
メーテルリンクはアリ塚を指して次のように言う。
ユートピア主義者たちは想像力をこえるところに未来社会のモデルをもとめる。しかし、われわれの眼前には、おそらく火星や金星や木星に見出せるような社会と同じくらいファンタスチックな、本当らしくない、予言的な社会のモデルがある。
Updated : 2008.08.09 09:11