Possibility of Self-organizing Blog
ポストした記事は更新しないのが、ブログを書く時の「暗黙の了解」かもしれない。しかし、完成した文章を集約する場所としてウィキを持っていると、最初からブログに完成品をポストする必要性はない。むしろ、フニャフニャで混沌とした状態から文章を進化させていく過程をブログに担わせた方が、使い分けとしては良い。
私はブログが話すことを聞いて、書き加えたり、書き直したりする。私が文章を書くのではなく、文章が自分自身を組織化するために私の頭を使う。記事をポストすることは「始まり」で、文章の進化はポストしてからも続く。平衡状態に至るまで、何度も何度も書き直す。「自己組織化するブログ」もしくはそういう書き方が、世の中に一つぐらいあっても良いんじゃないかなと。
ここまで書いてきたところで、アキヅキダイスケさんよりブログ記事にリンクを張っていただく。こうなってくると、自己組織化は、自分のブログだけに限らず、他のブログも巻き込んで起こる可能性も出てくる。
あらためて考えてみると、ブログの自己組織化には、タテ・ヨコがあるかもしれない。「タテ」とは、一つの記事の中の「時間軸」のこと。自己組織化は、初めはこのタテ軸に添って起きる。一方、ヨコとは、ブログの間のつながり、つまり「空間軸」のこと。ブログ記事は、インターネットを伝って、読者に配信される。読者が、その記事について新しい記事を書けば、進化を共有することになる。つまり「共進化(Co-evolution)」が始まる。
書き始めのイナーシャを小さくしておけば、ブログを書くのもそれほど苦にはならない。最初は Twittler 的な一言コメント、もしくは、本を読んでいて「これは良いな」と思った文章の引用だけでも良いと思う。心に残るということは、何かしら重要性があるということだし、Steve Jobs の言うように「点は後でつながる」。
私の場合、「書きたいフェーズ」と「考えたいフェーズ」が分かれている。友人に言わせると、私の思考はどうも右脳的らしい。一番最初に答えが見えて、証明はそのあとに続くパターンが多い。PoIC のマニュアルにもそういう側面がある。証明が終わるまで書かないでいると、何も書けなくなってしまう。書きたい時にとりあえず書いて、考えて、また書き直すというスタイルが自分には一番良いらしい。
一つ問題なのは、ブログの機能の一つである RSS Feed。記事を更新した場合、それが新着記事として配信されている可能性もある。私は RSS Feed を使わないので、この辺は良く分からない。
もう一つの問題は、こちらから配信されたブログ記事をもとに、他の人が「自分の記事」として新しい記事を書くこと。アキヅキさんのように、ソースを明記する良心的なブロガーばかりなら良い。しかし、残念ながら現実の世界ではそうばかりではない。この例などは、明らかにクリエイティブ・コモンズおよび GPL/GFDL に違反している *1。日本のライフハック界を率いている(と思われる)人物が、率先して CC、GPL/GFDL 違反をしていたのでは、日本のライフハック界に未来はないだろう。
いくら情報を弄したところで、結局のところ「事実」や「真実」は曲がらない。情報とは不思議なもので、小細工したところで、いずれこちらの情報網に自然と引き寄せられてくる。情報の遺伝子は、出所を隠しても、見る人が見ればとすぐそれと分かる。マニュアルにも書いたけれど、参考資料を必ず明記するのは他人のためだけでなく、自己防衛のためでもある。「共進化」のためには、やはり参考資料は最初から正直に書いておくべきである。
ライフハックと言った時の「ハック」の意味の取り方は、人によって違うのかもしれない。私個人の「ハック」は、Wikipedia の「ハッカー文化」の次の一文に近い。
その一方で、ハッカー文化の根底には、親切でおおらかな博愛精神が脈々と息づいており、時に宗教的ですらある。その原因は、他人に影響を与え得るハッカーの多くが、その実において人間的にも親しみやすく、技術を独占するよりも広く共有して、皆で大いに楽しみたいとする奔放さを持っている事にあると思われる。
PoIC のマニュアルが GPL/GFDL なのも、すべてこのため。もちろん私は聖人ではないけれども、少なくとも「そうありたい」と願う。
実は、マニュアルを GPL/GFDL にするに至るまでは、かなり葛藤した。自分の両力の大半をつぎ込んだものをフリーで公開するなんて、端から見れば気が狂っているとしか思えない。しかし、そこには、たぶん多くの GPL ソフトベンダーが感じているように、利害関係を越えた「何か」がある。これは作る側にならないと分からない。だから、PoICer さんが少しずつ増えてきたり、Flickr の PoIC グループに人が集まってくると、素直に嬉しい訳です。新しい PoICer さんに逆に刺激を受けたり。
私はどちらかというと「作る側」なので、その辺の感じ方・考え方は「商業的ライフハッカー」とは違うのかもしれんね。
*1 Lifehack 界の名誉のために追記。Lifehack 本家の Lifehack.org には、何度か PoIC を取り上げていただいた。その度に情報源がしっかり明記されていたし、Flickr の写真へのリンクも張られていた。この辺はさすが。その意味では「Lifehack」と「ライフハック」は区別すべき時に来ているのかもしれない。
Updated : 2008.08.13 14:40
