Archive for the 'Record' Category

Lesson from Raindrop

Friday, July 11th, 2008

雨滴というのは、サイズが小さいとすぐに蒸発してしまうが、「ある程度のサイズ」を越えると、今度は一転してどんどん成長に向かうものらしい。上の図は、この様子を図示したもの。簡単に「雨滴モデル」と呼ぶことにする。

PoIC というカード・システムにも、この雨滴モデルと同じ原理がはたらいているように思う。システムを構成するカードが「ある程度の枚数」を越えると、システムは一転して成長に向かう。この「ある程度の枚数」を越えることが重要。具体的な枚数は人によって違うのだろうけど、私の場合は20枚だったらしい(「量を計る」の2006年2月〜3月のジャンプ)。

この絵を見ていてもう一つ分かるのは、2つの小さい雨滴だとそれぞれは蒸発してしまうけど、それを合わせて1つの大きな雨滴を作れば、成長に向かうということ。これを踏まえると、時系列によるカードの一元管理(=分類しない)は、システムの成長にも寄与しているらしい。小分けにしないで、まとめた方が成長は早い。逆に、現行の家ドックと会社ドックに分けるというやり方は、システムの成長を考えると、あまり良くないのかもしれない。やはり「ポケット一つ則」(野口, 1993)が一番良いということか。

今や PoIC で起きる現象は、「雪崩モデル」と「雨滴モデル」の2つで理解できることが分かった。カード一枚を一粒の雨滴に例えると、より統一的な描像も見えてくる。つまり、核の回りに水蒸気が付着し、成長し、雨滴となり、冷やされてできた雪の結晶が、地上に降り積もって、やがて雪崩が起きる、と。「情報カードを書く」ということは、そのままでは蒸発してしまう情報を凍らせて、結晶として固定すること。雪の結晶には、一つとて同じ形のものはない。

Ref. : @book, イリヤ・プリゴジン, 存在から発展へ, 1984.

Updated : 2008.08.09 09:24

1984

Thursday, July 10th, 2008

「青い人々」のマス(量)がなければ、革命も何も起こらない。

熱心な Macintosh ユーザーだった頃は、革命を起こすヒロインにしか目が行かなかったんだけど、PoIC を経験した今では、むしろ「青い人々」の方が重要に思える。

Possibility of Self-organizing Blog

Monday, July 7th, 2008

ポストした記事は更新しないのが、ブログを書く時の「暗黙の了解」かもしれない。しかし、完成した文章を集約する場所としてウィキを持っていると、最初からブログに完成品をポストする必要性はない。むしろ、フニャフニャで混沌とした状態から文章を進化させていく過程をブログに担わせた方が、使い分けとしては良い。

私はブログが話すことを聞いて、書き加えたり、書き直したりする。私が文章を書くのではなく、文章が自分自身を組織化するために私の頭を使う。記事をポストすることは「始まり」で、文章の進化はポストしてからも続く。平衡状態に至るまで、何度も何度も書き直す。「自己組織化するブログ」もしくはそういう書き方が、世の中に一つぐらいあっても良いんじゃないかなと。

Co-evolution

ここまで書いてきたところで、アキヅキダイスケさんよりブログ記事にリンクを張っていただく。こうなってくると、自己組織化は、自分のブログだけに限らず、他のブログも巻き込んで起こる可能性も出てくる。

あらためて考えてみると、ブログの自己組織化には、タテ・ヨコがあるかもしれない。「タテ」とは、一つの記事の中の「時間軸」のこと。自己組織化は、初めはこのタテ軸に添って起きる。一方、ヨコとは、ブログの間のつながり、つまり「空間軸」のこと。ブログ記事は、インターネットを伝って、読者に配信される。読者が、その記事について新しい記事を書けば、進化を共有することになる。つまり「共進化(Co-evolution)」が始まる。

書き始めのイナーシャを小さくしておけば、ブログを書くのもそれほど苦にはならない。最初は Twittler 的な一言コメント、もしくは、本を読んでいて「これは良いな」と思った文章の引用だけでも良いと思う。心に残るということは、何かしら重要性があるということだし、Steve Jobs の言うように「点は後でつながる」。

私の場合、「書きたいフェーズ」と「考えたいフェーズ」が分かれている。友人に言わせると、私の思考はどうも右脳的らしい。一番最初に答えが見えて、証明はそのあとに続くパターンが多い。PoIC のマニュアルにもそういう側面がある。証明が終わるまで書かないでいると、何も書けなくなってしまう。書きたい時にとりあえず書いて、考えて、また書き直すというスタイルが自分には一番良いらしい。

一つ問題なのは、ブログの機能の一つである RSS Feed。記事を更新した場合、それが新着記事として配信されている可能性もある。私は RSS Feed を使わないので、この辺は良く分からない。

もう一つの問題は、こちらから配信されたブログ記事をもとに、他の人が「自分の記事」として新しい記事を書くこと。アキヅキさんのように、ソースを明記する良心的なブロガーばかりなら良い。しかし、残念ながら現実の世界ではそうばかりではない。この例などは、明らかにクリエイティブ・コモンズおよび GPL/GFDL に違反している *1。日本のライフハック界を率いている(と思われる)人物が、率先して CC、GPL/GFDL 違反をしていたのでは、日本のライフハック界に未来はないだろう。

いくら情報を弄したところで、結局のところ「事実」や「真実」は曲がらない。情報とは不思議なもので、小細工したところで、いずれこちらの情報網に自然と引き寄せられてくる。情報の遺伝子は、出所を隠しても、見る人が見ればとすぐそれと分かる。マニュアルにも書いたけれど、参考資料を必ず明記するのは他人のためだけでなく、自己防衛のためでもある。「共進化」のためには、やはり参考資料は最初から正直に書いておくべきである。

ライフハックと言った時の「ハック」の意味の取り方は、人によって違うのかもしれない。私個人の「ハック」は、Wikipedia の「ハッカー文化」の次の一文に近い。

その一方で、ハッカー文化の根底には、親切でおおらかな博愛精神が脈々と息づいており、時に宗教的ですらある。その原因は、他人に影響を与え得るハッカーの多くが、その実において人間的にも親しみやすく、技術を独占するよりも広く共有して、皆で大いに楽しみたいとする奔放さを持っている事にあると思われる。

Ref. : @wikipedia, ハッカー文化.

PoIC のマニュアルが GPL/GFDL なのも、すべてこのため。もちろん私は聖人ではないけれども、少なくとも「そうありたい」と願う。

実は、マニュアルを GPL/GFDL にするに至るまでは、かなり葛藤した。自分の両力の大半をつぎ込んだものをフリーで公開するなんて、端から見れば気が狂っているとしか思えない。しかし、そこには、たぶん多くの GPL ソフトベンダーが感じているように、利害関係を越えた「何か」がある。これは作る側にならないと分からない。だから、PoICer さんが少しずつ増えてきたり、Flickr の PoIC グループに人が集まってくると、素直に嬉しい訳です。新しい PoICer さんに逆に刺激を受けたり。

私はどちらかというと「作る側」なので、その辺の感じ方・考え方は「商業的ライフハッカー」とは違うのかもしれんね。

*1 Lifehack 界の名誉のために追記。Lifehack 本家の Lifehack.org には、何度か PoIC を取り上げていただいた。その度に情報源がしっかり明記されていたし、Flickr の写真へのリンクも張られていた。この辺はさすが。その意味では「Lifehack」と「ライフハック」は区別すべき時に来ているのかもしれない。

Updated : 2008.08.13 14:40

Attractive Publishers

Saturday, June 28th, 2008

自分の本棚を眺めてみると、次の4つの出版社の本が多くなってきている。

みすず書房
気が付いてみると、最近 PoIC 関連で読んだ本/読もうと思って買った本のほとんどがみすず書房の本だった。例えば、クーンの「科学革命の構造」、ウィーナーの「人間機械論」、プリゴジンの「確実性の終焉」、ペンローズの「皇帝の新しい心」など。復刻にも力を入れているみたいで、絶版になっていた良書がたくさん手に入るのが嬉しい。

技術評論社
技術関係の本も多いんだけれど、最近 gihyo.jp では、PoIC 関係で私が以前議論した人達が記事を連載されていますね。野ざらし亭さん、nomico さん、そして一番最近ではマックライドさん。最近はライフスタイル系にも力を入れているみたい(ライフ「ハック」でないところが個人的に好感が持てる)。

三笠書房
私の一番好きな本の一つであるスマイルズの「自助論」は三笠書房から出ています。本屋に行って知的生きかた文庫のコーナーを眺めていると面白そうな本が多数出ている。

講談社
講談社現代新書、ブルーバックスは、内容がわかりやすく、値段も手頃。よく電車の中で読みます。最近読んで面白かったのは、都筑卓司の「マックスウェルの悪魔」。「PoIC を通じて見えたこと」の中でも出てくる「エントロピー」について、詳しく・分かり易く書かれた本です。自分の本棚に講談社現代新書・ブルーバックスが全巻ズラーっと並んでいたら壮観だろうなぁ。

渡部(1976)には、「一つのセンスにコミットする」という話(p.58)が出てくるんだけども、やはりそういうのはあるらしいという実感。出版社にも引力があって、こちらにも引力があって。その二つが相互作用して、互いに引かれ合う感じ。

Updated : 2008.08.09 09:23

1/f in PoIC

Monday, May 12th, 2008

I plot how often I organized Task Force. It shows simply a straight line with 1/f slope.

That is, Pile of Index Cards system is under similar dynamics of Pile of Sand. Therefore, behavior of this system can be understood through a metaphor of sandpile.

e.g.
- Writing and piling index cards every day = piling sand particle continuously
- Moment of organizing Task Force = Self-organized criticality
- Task Force and following Reproduction = Avalanche of sandpile

Q. How often and scale of Task Force?
A. As often and large as you observe avalanche of sandpile
Q. What trigger to organize Task Force?
A. Not owner of system, not dead line, but the system itself. Listen what your system says.
Q. Exactly when?
A. Unpredictable. All the owner can do is just piling index cards. Soon, the system causes avalanche naturally.