4カード

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ここでは、私たちの身の回りの情報を捕獲するための、4種類のカード(記録、発見、GTD、参照)を導入します。

記録カード

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  • タグ  : 左から2番目のブロック

記録カードは、私たちの身の回りの事実や現象を記述するのに使います。例えば、日記(生活、仕事、夢)、お金の収支、健康状態(体温・血圧・体重)、食事、天候(天気・気温・湿度)などが、記録カードに属します。

日記から始めよう

PoIC を使い始めるにあたって、一番簡単なのはこのシステムを日記として使うことです。自分自身の日々の記録を、この記録カードとして書いていきます。日記は事実を記録するだけですから、思考力を要しません。

私は今でも一日のカードの書き始めを、日記としての記録カードから始めています。これが一日の単位でも、書き始めるのに一番簡単な方法だからです。

記録が集まると発見になる

それぞれの記録カードは単なる記録であり、役に立つ情報を含んでいないようにも見えます。時には、単に数字だけの場合もあります。アイコンが単なる丸(円、ゼロ)なのは、この状況を象徴しています。

記録カードが真価を発揮するのは、カードが十分蓄積した時です。ドックから記録カードを抜き出し、情報や数字をグラフ化すると、「パターン」が現れます。こうして見つけたパターンは、自分自身の記録に基づいた新しい発見・知識となります。

カードの利点は、一枚一枚がバラバラのパーツに分かれているということです。これにより、時間的・空間的に離れたカード間の比較を容易にし、人間に特有の先入観を避けることができます。

発見カード

発見カード (拡大する)
  • アイコン : 電球 (ひらめき)
  • タグ  : 左から3番目のブロック

記録カードから得られる長期的なパターンの他に、私たちは一瞬にしてパターンを見つけることがあります。「分かった!」、「見つけた!」、「ああそうか!」という瞬間がそれです。

このような直感的な発見はすべて発見カードとなります。例えば、生活・仕事のアイディア、発見、直感、理解、認識、ジョーク、詩、俳句など、私たちの頭・心から湧き出てくるものが、発見カードに属します。

発見を強化する

私が4カードの中で一番楽しく、かつ重要であると考えるのが、この発見カードです。発見カードは、私の書くカードの80 % 以上を占めます。

私たちの脳は、ちょっとした訓練によって発見を強化することができるようです。ドックの中で発見カードが増えていき、次第に優勢になっていくのを見て、楽しくなるでしょう。なぜなら、これが自分の生活を基礎とした、自分自身のアイディア・発見だからです。それと同時に、アイディアを収集・蓄積する手段がなかったとき、いかに多くのアイディアが忘却の彼方に消えていたかを見ることでしょう。

発見が幸福感を生む

なぜ、人間にとって「発見すること」が楽しいのでしょうか? 「知的生活の方法」 (1976) の中で渡部昇一氏は、長い間理解できなかったものが理解できた瞬間、得も言われぬ幸福感を感じると述べています。彼はこの幸福感を「知的オルガスム」と表現しています。知的オルガスムに至るには長い時間が掛かりますが、その幸福感は甚大なものです。

また、最近の研究で、脳生理学者の茂木健一郎氏は、人間の脳が発見や「分かった!」という瞬間に、ある種の幸福を感じると主張しています。この時、脳の中の細胞は、0.1秒の単位で活性化されます。脳は、発見をすればするほど、幸せになり、さらなる発見を探そうとします。彼はこれを「アハ体験」と呼んでいます。

発見により幸福感を感じ、さらなる発見を促す。発見カードを導入することで、私たちの脳は、発見することに最適化されます。何よりも大切なのは、これらの発見が、他の誰のものでもなく、私たち自身の中から出てきたということです。そして、すべての発見は、信頼のおけるシステムの中に蓄積されます。問題解決への道は、蓄積した発見の中からもたらされます。このような問題解決法は、完全に楽観的な方法と言えるでしょう。

GTD カード

GTD カード (拡大する)
  • アイコン : 四角 (チェックボックス)
  • タグ  : 左から4番目のブロック 最初に縁だけ書き込む

GTD カードは、やるべきこと(Things Do)、やったこと(Things Done)を記述するカードです。

GTD とは?

GTD(Getting Things Done)とは、David Allen 氏が提唱するタスク処理システムです(Allen, 2002)。GTD の要点は、たった二つです。

  • 頭の中のモヤモヤをすべて「紙」に書き出すこと
  • 大きいタスクを実行可能な小さいタスクに分解してから処理すること

算数で「5桁の掛け算は難しいから、暗算ではなく筆算しなさい」と言うのにも似ています。難しい計算でも、紙と鉛筆を使えば解決できます。

オープンループ

一枚の GTD カードには、いくつかの小タスクを含めても良いことにします。こうして、小タスクがバラバラになるのを防ぎます。GTD カードのタグは最初は縁だけを書いておきます。これは、Allen (2002) の言うところの「オープン・ループ(閉じていない輪 = 終わっていない仕事)」を意味します。GTD カードに書いた全ての小タスクが終わった時点で、チェックボックスにチェックを入れ、タグを塗りつぶしてはじめて「完了! (Get Things Done!)」となります。

モヤモヤを掃き出す

GTD には、頭に浮かんだモヤモヤをすべて紙に掃き出す作業があります。これを「マインド・スイープ」と呼んでいます。GTD を使い始めた段階では、このマインド・スイープで非常に多くのタスクが生じます。PoIC を通じて初めて GTD を使う人は、まずレポート用紙などの大きな紙を使って、いまあるタスクを掃き切りましょう。しばらくして、GTD のコツがつかめたところで PoIC に移行します。

完了した GTD カードも保存しておく

Hipster PDA と GTD の相性が良い理由は、二つあります。一つは、GTD カードの数が本来少ないこと、もう一つは、タスクが完了したらカードは捨ててしまうことです。情報をこのように扱うのであれば、Hipster PDA でも十分です。

しかし、PoIC では、完了した GTD カードも捨てずに取っておきます。完了した GTD カードを作業記録としてドックに残しておけば、後でそこから有益な情報を得ることもできます。

参照カード

参照カード (拡大する)
  • Icon : 帽子 (頭の上にある何か)
  • Tag  : 左から5番目のブロック

本・テレビ・ウェブからのことばの引用、料理のレシピなどは、参照カードに分類されます。これはひとことで言えば、「自分以外の他の誰かのアイディア」を記すカードです。

引用は正確に

参照カードを書く時は、間違いが伝播するのを防ぐために、引用文を一字一句正確に書きます。こうして引用文のオリジナリティを守る代わりに、タイトルはなるべく自分の言葉で付けるようにします。他の人の言葉を自分の言葉でも表現できるということは、私たちがそのモノゴトをよく理解していることを意味します。

引用文は、それが引用文であることが一目で分かるように、ダブルクォート(" ")やカッコ(「 」)でくくります。引用文に対するコメントやメモ(= 自分の言葉)は、ダブルクォートなし、カッコなしで書きます。

誰のアイディア?

参照カードは、記録/発見カードと明確に区別します。参照カードは私たちの外側から入ってきた情報です。一方で、記録/発見カードは自分の中から出てきた情報です。例えば、インターネットで他の人のアイディアを発見した(見掛けた、見付けた)としても、それは本当の自分自身の内側から出てきた発見ではありません。

誰かのアイディアを、自分の記録・発見としてカードに書くことはできません。参照と記録/発見を明確に分けることは、相手の意見を尊重するだけでなく、自分自身のアイディアのオリジナリティを守ることにもつながります。知的生活の第一原則は「知的正直(インテレクチュアル・オネスティ)」です(渡部, 1976)。カードを書く時に、見栄を張る必要はどこにもありません。ただただ自分の心に正直に書けばよいだけです。

情報のソースを忘れずに

参照カードを書く時にもう一つ注意すべきことは、必ずソース(情報源)を明記するということです。ソースのない参照カードにはまったく利用価値がありません。本の場合、著者、本の名前、書かれた年、引用文があるページを記録するようにします。